東文研セミナー "Persian styles of seeing European ways of painting: the Morgan Bible in Safavid Iran" が科研費「近世帝国としてのサファヴィー朝史研究--均質性の相克」と東京大学東洋文化研究所班研究「イスラーム美術の諸相」の共催で開催されました。
講演者:Sussan Babaie博士(ロンドン大学コートールド美術研究所)
講演題目:Persian styles of seeing European ways of painting: the Morgan Bible in Safavid Iran
日時:2013年11月28日(木)午後3時〜午後5時
場所:東京大学東洋文化研究所3階、第一会議室
使用言語:英語
概要:
現在ニューヨークのモーガン・ライブラリーが所蔵する、本文を持たない旧約聖書絵本(M 638)は、カペー朝フランス王ルイ9世(聖王、在位1214-70)が第7回十字軍に出発する1248年以前に作らせたと考えられる。この写本はその後ポーランド、クラクフの枢機卿の手に渡り、17世紀初頭にイランのサファヴィー朝君主アッバース1世(在位1587-1629)への外交的な贈物として献上され、その後は18世紀頃イランに住むユダヤ教徒が所有するに至ったようである。絵画の欄外に書き込まれたラテン語、ペルシア語、ユダヤ・ペルシア語のキャプションは、その多様な持ち主像を反映している。イスラーム美術史、とくにサファヴィー朝美術史の著名な研究者であるバーバーイー博士が、サファヴィー朝宮廷に贈呈されたこの美しい13世紀フランスの写本がイラン人によってどのように鑑賞され、どのような芸術的インパクトを与えたかを論じる。
共催:科学研究費「近世帝国としてのサファヴィー朝史研究−−均質性の相克」
東京大学東洋文化研究所班研究「イスラーム美術の諸相」
問い合わせ先:西アジア部門 桝屋 masuya(at)ioc.u-tokyo.ac.jp
担当:桝屋