本研究所は、駒込の東洋文庫ミュージアムで開催中の企画展「マルコ・ポーロとシ ルクロード世界遺産の旅:西洋生まれの東洋学」展(12月26日まで)を後援していま す。去る11月30日(土)には、西アジア部門の森本一夫准教授が、展覧会関連の公開 講座(東洋文庫主催)で、「暗殺者教団の神話:その歴史に見る「東洋学」の展開」 という講演を行いました。『東方見聞録』に見られる「暗殺者教団(アサッシン)」 関連の「神話」を主題としたこの講演は、問題の神話が後世の「東洋学」の中でどの ように受容されてきたかを通覧し、さらに、多分に不当なそのような神話に対し、現 在では「暗殺者教団」に連なる人々自身(イスマーイール派ニザール分派の人々) が、「イスラーム学」あるいは「東洋学」の枠の中から見直しを訴えるようになって いることを紹介したものでした。森本准教授は、「ペースをつかむのに苦労した不調 の講演だったが、聴衆の皆さまの寛大さに救われた」というコメントを寄せていま す。