東京大学東洋文化研究所では、東文研セミナー「オスマン帝国シャリーア法廷台帳再読」を、東文研班研究「オスマン朝史料学の方法的課題」と科研費基盤(B)「オスマン帝国における社会階層とジェンダーに関する国際共同研究」の共催で、下記の要領で開催することになりました。ご関心のある方はふるってご参加下さい。
本セミナーは対面とオンライン併用で行います。参加を希望される方は、下記URLの参加申込フォームにご記入ください。
日時:2024年3月29日(金) 14:30〜16:30 ※開催時刻が変更になりました
会場:東京大学東洋文化研究所3階第1会議室/Zoom
報告者:秋葉淳(東洋文化研究所)
題目:オスマン帝国シャリーア法廷台帳再読
コメンテーター:守田まどか(東京外国語大学)
登録フォーム:https://forms.gle/6hBeHQ8tmUibS8YD9
要旨:
シャリーア法廷台帳は、約半世紀にわたってオスマン帝国の社会経済、法、女性・ジェンダー史研究の重要な史料として盛んに用いられてきた。しかし、この史料そのものについての理解が十分に進んだとはいえない。本報告の前半では、バルカン地方のある町の法廷収入に関する史料(1840–41年)を素材として、法廷で判決が出されながらも証書(hüccet)が作成されず法廷台帳にも記録されない多数の訴訟が存在していたことを明らかにする。これは、法廷において証書が特別な理由のある場合にのみ作成されていた事実を示している。
後半では、どのような場合に証書が作成されたのか、主に18世紀アナトリアの法廷台帳からさまざまな事例をとり上げながら検討する。鍵となるのは訴訟・契約当事者の要請であり、法廷文書を分析する際には、「なぜ彼女/彼は法廷に出向いたのか」よりもむしろ、「なぜ彼女/彼は証書作成を要求したのか」を問わなければならないことを論ずる。
※本セミナーは、科研費基盤(B)「オスマン帝国における社会階層とジェンダーに関する国際共同研究」(研究代表者:秋葉淳 20H01322)の支援を受けて開催されます。
連絡先:秋葉淳(東洋文化研究所)j-akiba[a]u-tokyo.ac.jp
担当:秋葉