東洋文化研究所は、テヘラン大学中央図書館と共同で、2013年6月15日、22日、29日(全て土曜日)の3回にわたり、テヘラン大学中央図書館写本室長を務めるスーサン・アスィーリー博士を講師にお迎えし、「アラビア文字写本学講習会」を開催しました(計12時間)。講習は、モノとしての写本を目の前にした際に、その写本の特徴を把握する上で有用となる様々な手がかり、例えば表紙の材質や加工法、用紙の種類、書体、といったトピックを広く取り上げ、それらについての基礎的な知識を、イランに伝来する写本の事例を中心に解説するものでした。今後初めての写本調査に挑むことになる「若者」に有用であっただけでなく、より経験を積んだ研究者の「我流」の理解を正す上でも有益な内容だったと思われます。なお、その専門的な内容にもかかわらず、(マグリブ研究を専門とする方や関西在住の方も含め)27名もの登録受講者が集まったことは、主催者側にとって喜ばしい驚きでした。多様な関心を持つ研究者に益となるような、共通の基盤作りとなるこのような機会を、今後も設けていくことができればと思います。
(文責:森本)
講師:スーサン・アスィーリー博士(テヘラン大学中央図書館写本室室長;東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー)
日時:
6月15日(土): | 11:00-13:00, 14:30-16:30 |
6月22日(土): | 11:00-13:00, 14:30-16:30 |
6月29日(土) | 13:30-15:30, 16:00-18:00 |
(計12時間) |
会場:東京大学東洋文化研究所3階第一会議室・第二会議室(アクセス情報:http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/access/index.html)
担当:森本