タイトル: 「米中の緊張緩和期における日本の地位:1969-1972年」
報告者: 牛 大勇(北京大学歴史系教授)
司会者: 羽田 正(東京大学東洋文化研究所長)
日時: 2010年11月15日(月)午後3時~5時
場所: 東洋文化研究所3階大会議室
言語: 中国語(通訳あり)
11月15日(月)、東文研セミナーが開催され、北京大学歴史系の牛大勇教授が講
演を行った。講演のタイトルは、「米中の緊張緩和期における日本の地位:1969-1972年」
である。
1970年代初頭の米中接近時に、双方の政治指導者が日本との関係をどのように意
識し、「日本」というカードを有効に使って二国間外交をいかに自らの有利に進
めようとしたかが、主としてアメリカ側の資料に基づいてヴィヴィッドに論じら
れた。
講演後には、当時の朝鮮半島をめぐる情勢に対する米中接近の意味、「日本」と
いうカードを用いて両者が接近することによって、孤立した日本が両国の思惑と
は異なった方向へ暴走する可能性、政治家による外交という理解方法の是非など
が問われ、充実した研究会となった。
本研究所は北京大学歴史系との学術交流を今後組織的に行ってゆく予定であり、
9月には羽田所長が北京大学で講演を行った。10月末まで北京大学歴史系の主任
をお務めだった牛教授の今回の講演は、両研究機関間の交流の一環として企画さ
れた。他機関の招聘で東京に滞在中の牛教授は、お忙しい中講演をご快諾下さっ
た。牛教授に深く感謝したい。これを出発点に、活発な人的交流を通じて互いの
問題関心をよく知り、さらに組織的で有意義な研究協力へとつなげてゆきたいと
考えている。
(↓以下、当日の様子)