長い歴史をもつCambridge Historyのシリーズの一つとしてCambridge Economic History of China全2巻 (Debin Ma and Richard von Glahn eds)が刊行されました。Economic History としては過去にCambridge Economic History of Europeなどが刊行されています。黒田は第1巻のPart 2, 1000 to 1800 に’The Monetary System’を寄稿し、銅銭という農村市場まで浸透しうる小額通貨への依存と、それへの補完的機能を前提として早期に成立した政府紙幣、隔地決済を担った絹の貨幣機能を継承したため計数ではなく秤量貨幣として普及した銀、という中国貨幣史の3つの特徴について論じています。黒田のほか原宗子、柿沼陽平、岸本美緒、リンダ・グローブ、久保亨各氏が寄稿しており、他のCambridge Historyとは違い、これまでの日本における研究成果のこの分野での重要さを示しています。
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担当:黒田